REPORT
レポート
SHIBUYA109 lab.
2025.11.11
#SNS・デジタル #エンタメ・カルチャー #ファッション・コスメ #食・グルメ体験
 SHIBUYA109 lab.トレンド大賞2025
Z世代女性619人が選んだ今年のトレンドを発表
株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』は、around20(15~24歳)の女性619人を対象に実施した2025年トレンド調査の結果をお知らせいたします。

今年は「カフェ・グルメ部門」「ヒト部門」「アーティスト部門」「コンテンツ部門」 「キャラクター部門」 「SNSミーム部門」「ビューティー部門」「ファッション部門」「体験部門」の9部門を設置。

ノミネート項目についてはSHIBUYA109 lab. MATEに所属する10名の高校生・大学生が選考委員となり、ノミネート選出を行うトレンド大会議を経て決定しています。

※ノミネート項目に関しては当リリース末尾のノミネート一覧をご覧ください。

 

※ 公開データの引用・転載の際は、『SHIBUYA109 lab.調べ』と明記いただきますようお願い申し上げます。

※ 本リリースに記載の会社名、製品名、サービス名等は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

【カフェ・グルメ部門】 ヘルシーアジアフードとパリもちフード。「見る・聞く・探すを楽しむ食」にも注目

 

韓国・中国を中心としたアジアフード、特に麻辣湯や火鍋、ヨーグルトアイスブランド「ヨアジョン」などのヘルシーフードが2024年に引き続きトレンドとなりました。また、ASMR動画を起点に注目が高まった「見て・聞いて楽しむフード」や、売り切れ続出で入手困難なため「探しに行く過程を楽しむフード」も挙がり、食の楽しみ方の多様さが見られます。

 

 

1位 麻辣湯

中国・四川発祥のスープ料理で、花椒のしびれと唐辛子の辛さが特徴。食べ応えがありつつもヘルシーで罪悪感がなく食べられることが魅力。また、トッピングを自分で選ぶ様子がSNSのショート動画で多く上がったことも人気の理由です。

 

 

2位 もっちゅりん

ミスタードーナツの創業55周年記念商品。弾力のある食感とやわらかい食感を同時に堪能できる“もっちゅり食感”が特徴です。今までにない新しい食感がSNSで話題となり、店舗で売り切れが続出しました。

 

 

 

3位 ドバイチョコレート

ピスタチオペーストにカダイフ(小麦粉でできた細い麺)を中に入れてチョコレートでコーティングしたスイーツ。アラブ首長国連邦・ドバイ発であることから「ドバイチョコレート」と呼ばれており、ASMR動画でザクザクした食感が紹介されたことから話題になりました。

 

【ヒト部門】「ショート動画」で切り抜かれる個性

 

今年はABEMAで配信されている恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』の出演者が多数ランクインしました。

番組の切り抜きショート動画を視聴している若者も多く、「切り抜きたくなる個性」を持っていることが共通点です。

 

 

1位 長浜広奈

ABEMAで配信されている恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』に3シーズン連続で出演し、「おひなさま」という愛称で親しまれている高校2年生。シーズン毎に変わるビジュアルや自己肯定感溢れるブレない姿、番組中に発した言葉が「おひなさま語録」として度々SNSで人気を呼びました。

 

2位 MON7A(もんた)

『今日、好きになりました。ハロン編』 で話題を呼んだ現役高校生アーティスト。独自のビジュアルや同じく出演者である長浜広奈さんとのやり取りから話題になりました。更に机の上に足を上げて撮影する動画が「もんた界隈」として広がり、多くの人が真似してTikTokに投稿しました。

3位 希空

芸能プロダクション「LUV」所属のインフルエンサーであり、タレント 辻希美さんの娘。昨年末にYouTubeで個人チャンネルを開設・顔出しを解禁し、モデルとしての活躍や『今日、好きになりました。卒業編』への出演が話題となりました。

【アーティスト部門】令和ソングで自己肯定、平成ソングでチアアップされる

 

今年はメンバーはもちろん、プロデューサーの個性や思いが色濃く表現されているグループが人気となりました。また昨年に引き続き、ポジティブで自己肯定感を上げてくれるような楽曲や、平成を代表するアーティストの楽曲がトレンドになったこともポイントです。平成楽曲は、平成リバイバルの懐かしさだけでなく、エネルギッシュな楽曲に鼓舞されることも魅力です。

 

1位 HANA

ラッパー・シンガーのちゃんみなさんがプロデューサーを務めるオーディション番組『No No Girls』から誕生した7人組ガールズグループ。オーディション中のちゃんみなさんの様子や、メンバーの成長していく姿、スキルの高さで注目を集めました。

 

2位 CUTIE STREET

アソビシステム所属の8人組女性アイドルグループ。デビューシングル『かわいいだけじゃだめですか?』が歌・ダンス共にSNSで人気を集め、2025年はグループ初のワンマンライブ、全国ツアーを開催しました。

 

3位 超ときめき♡宣伝部

スターダストプロモーション所属の6人組女性アイドルグループ。今年発売された『超最強』の歌詞が推し活ソングとしてTikTokを中心に話題となりました。

【コンテンツ部門】映画鑑賞前後で作品の世界観を満喫。ホラーやSFも楽しんだ2025

 

 

今年はホラー・SF系の作品や、映画館での上映作品が多くノミネートされました。作品の世界観に合わせたコーディネートで映画館に行くことや、劇中キャラクターのキーホルダーやぬいぐるみを持参し、映画館でフード・ドリンクと一緒に撮影することなど、観賞前後で作品の要素を楽しむ実態も見られています。SNSでは「国宝界隈」という映画『国宝』のワンシーンを真似するSNSミームも誕生しました。

 

1位 映画国宝

生い立ちも才能も異なる2人の主人公が歌舞伎の世界で生きる姿を描いた小説を基にした実写映画作品。内容を称賛する声や映画の世界観を真似する「国宝界隈」がSNSで話題となりました。

 

2位 映画『8番出口

昨年話題となったゲーム『8番出口』を元にした実写映画。無限にループする地下通路で異変を探しながら地上へ脱出するゲームの世界観が再現されており、映画の展開や結末が全く想像できないと上映前から話題になりました。

 

3位 映画『366

4人組バンドであるHYの楽曲『366日』に着想を得て制作された恋愛映画。上白石萌歌さんと赤楚衛二さんが主演を務め、切ないストーリーが話題になりました。

【キャラクター部門】ぬい活でキャラクター戦国時代へ。「ポジティブに病むキャラクター」が話題

 

昨年に引き続き、キャラクターコンテンツへの注目度が高いことから、今年新設したキャラクター部門。平成リバイバルキャラクターや「教育番組」など、現代社会の“病み”などのネガティブなテーマをポジティブに昇華した文脈のキャラクターが話題となりました。また、ぬいぐるみを推し活やファッションの一環で楽しむ「ぬい活」も、キャラクター消費が活発な要因です。

 

1位 LABUBU

中国のアートトイブランド「POPMART」で発売されている、長い耳とギザギザの歯を持つモンスター。K-POPアイドル『BLACKPINK』のリサさんがバッグにつけ着用している動画を投稿したことで人気になり、品切れ状態が長く続いています。

 

 

2位 ミャクミャク

大阪・関西万博の公式キャラクター。『サンリオキャラクターズ』や『たまごっち』などの人気キャラクターとのコラボ商品が発売されたこともあり、高い人気を得ました。

 

 

3位 えもじの子(仮)

2024年11月に行われたLINEのアップデートでデフォルト絵文字に追加されたキャラクター。見た目のかわいさや絵文字としての使いやすさはありつつ、ちょっとしたシュールさも相まって、Xを中心に「LINE絵文字のあいつ」と呼ばれ親しまれました。

 

【SNSミーム部門】AIで作るミームが話題。「明るく自虐ミーム」で今を共有

 

 

日々目まぐるしく流行りが入れ替わるミームですが、今年はAI音声やAI動画生成を活用したショート動画ミームが数多くノミネートされました。また、キャラクター同様に、ネガティブな文脈をポジティブに共有したり、明るく自虐するミームトレンドも特徴的です。

 

 

1位 今これ界隈(中国ダンス)

中国の伝統舞踊「科目三(クォムーサン)」をベースにしたダンスと、日本のネットスラング「今これ構文」が融合したミーム。コミカルでクセになる動きに、日常のあるあるを組み合わせたスタイルが流行し、話題となりました。

 

 

2位 〇〇すぎてしぬ‼️

感情の高まりを誇張して表現するフレーズで、AI音声による読み上げとセットで使われることが多いミーム。SNSではAI音声の独特な声が面白さを引き立てTikTokを中心に話題となりました。「しぬしぬ界隈」とも言われており、日常でも使いやすいことも魅力です。

 

 

 

3位 今日ビジュイイじゃん

男性アイドルグループ『M!LK』の楽曲「イイじゃん」に登場するセリフ「あれ、今日ビジュイイじゃん」が元ネタのSNSミームです。キャッチーな言葉と真似しやすい振り付けが人気を集め、TikTokの音源としてだけでなく、日常会話でも自分や相手の見た目を褒める際に使われています。

 

【ビューティー部門】キーワードは「ハッピーオーラ」。血色感やツヤを重視したやさしい雰囲気を演出

 

 

昨年に引き続き、「なりたい雰囲気」を演出するメイクがトレンドです。今年はチークアイテムが多数ノミネートされており、血色の良さや透明感・ツヤ感を重視し、柔らかい雰囲気のあるハッピーオーラの演出がキーワードとなりました。

 

 

1位 くるみちゃんヘアー

漫画『君に届け』に登場するキャラクター胡桃沢梅(くるみざわうめ)の髪型を再現したヘアスタイル。K-POPアイドル『aespa』のニンニンさんを筆頭に人気アイドルがスタイリングに取り入れ、話題となりました。

 

 

 

2位 多幸感メイク

ピンクやコーラルカラーを使用した血色感のあるメイク。柔らかい雰囲気を作り出し、好印象を与えることができるとして人気となりました。

 

 

3位 CLIO エッセンシャル リップチーク タップ

CLIOから発売されたバーム状のリップ&チーク。自然なツヤ感・血色感があることで使いやすく話題になりました。また、蓋を口にくわえながらチークを塗る動画がSNSで注目されました。

 

【ファッション部門】「クワイエット・アゲ」なアイテムで調和と個性を両立して楽しむ

 

昨年に引き続き、平成中期の日本のカルチャーを反映したY2Kファッションや、「ウィッシュコア」といった、キーモチーフ・キーアイテムを中心に楽しむ「○○コア」がトレンドとなりました。また、耳つぼジュエリー・ボディジュエリーなど、周りとの調和を乱さず、さりげなくギラギラできる「クワイエット・アゲ」なアイテムが多数ランクインしています。

 

 

1位 耳つぼジュエリー

耳のつぼにチタンの付いたシールを貼り付ける美容アイテム。つぼを刺激することで美容・健康に効果もありつつ、ピアスのようなおしゃれを同時に楽しめることで人気になりました。

 

 

2位 ボディジュエリー

肌に直接ラメやラインストーンなどのジュエリーを貼るボディアート。キラキラ感が目を引き、コーデのワンポイントとして気軽に取り入れられることで注目を集めました。約7日~10日で色落ちすることも特徴です。

 

 

3位 ナップサック

肩に背負える巾着型のバッグ。Y2Kファッションのリバイバルとともに、抜け感を演出できるアイテムとして流行しています。

【体験部門】個性の表現も共感も「小さく狭く」 

 

めじるしアクセサリーやブレスレットやメガネチャームなど、小さいチャームで自分の個性や好きを楽しむ体験がトレンドとなりました。また、編み物やシール帳など、ひとりもしくは少人数で楽しむものも多く、共感半径が狭い体験を求めていることがわかります。

 

 

1位 めじるしアクセサリー

マスコットに小さいラバーリングがついているチャーム。主にガチャガチャの景品として提供されており、傘の柄やリップなどに着けて楽しまれています。キャラクターやミニチュアの食べ物・商品まで、幅広い種類のめじるしアクセサリーがトレンドとなりました。

 

 

2位 ぬい活

「ぬいぐるみ活動」の略。推しのぬいぐるみやお気に入りのぬいぐるみと一緒にお出かけしたり、ぬいのコスチューム作りなどが楽しまれました。キャラクター部門1位のLABUBUをはじめ、ぬいのランダムグッズも注目されており、開封動画も人気です。

 

 

3位 シール帳

お気に入りのシールをコレクションした手帳で、友達とシールを交換することがトレンドとなりました。平成中期ごろに流行っていたこともあり、幼少期の懐かしさを楽しんでいます。立体感のあるシールやタイルシールも人気です。

 

 

ノミネート一覧はこちら▷

 

 

 

■調査の概要

調査方法:WEBでのアンケート調査

調査期間:2025年9~10月  調査対象:around20(15歳~24歳) 女性

有効回答数:n = 619

調査実施・分析:SHIBUYA109 lab.(運営:株式会社SHIBUYA109エンタテイメント)

※ノミネート候補の選定について

2025年9月にトレンド大会議を実施。SHIBUYA109 lab.の保有する独自ネットワーク「SHIBUYA109 lab. MATE」に所属する高校生、大学生10名とともにSHIBUYA109 lab.にて部門ごとにノミネートを選定。その後選択式アンケートを実施して大賞を決定。

 

 

 

【所長コメント】今年のハイライトは「ぬい活」。 heal&cheer upな消費ムードが続く

今年は「ぬい活」などキャラクターコンテンツの盛り上がりが顕著だったことから、新たに「キャラクター部門」を設けました。そして、2025年は昨年に続きSNSを中心としたコミュニケーションの「量」と「範囲」に疲れを感じる傾向が消費トレンドにも色濃く反映された一年となりました。そうした疲れを癒すためのリフレッシュ体験や、自分をチアアップしてくれるアイテム・コンテンツを通じて、“ありのままの自分”を肯定しながらも、明るく自虐し、互いに励まし合いながら今を楽しむというのが、若者のコミュニケーションムードです。また、不特定多数とのつながりや過度なアテンションを避ける動きも広がっており、BeReal.やInstagramのストーリーズを中心に、クローズドかつエフェメラル(一時的)な空間でのコミュニケーションが活発化しています。企業のマーケティングでは、彼らの“小さく深い”コミュニティ意識を的確に捉えることが今後より一層不可欠になってくるでしょう。