第21回のゲストは、株式会社「arca」の代表でクリエイティブディレクターの辻愛沙子さん・24歳。中学1年生の時、自らの意志で学校を辞めイギリスの語学学校へ転入。その後スイスの中学校、アメリカの高校に留学した辻さんですが、中高時代は海外にいながらも原宿カルチャーにどっぷり浸かっていたといいます。今回は、そんな学生時代のお話を伺いました!
INDEX
目次
ゲストの「プリ履歴書」
プリ画像をアプリ加工!プリは自然に盛りたい
両親もびっくり…!自主的に中学生で海外へ
海外にいながら“原宿カルチャー”にハマる日々
美容院は1日3店舗ハシゴ♪ファッションのこだわり
niconicoで発信も!中高時代のWEB事情
ゲストの「プリ履歴書」

【研究メンバーはこの3人】
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久保友香先生シンデレラテクノロジーを研究 |
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門脇彩さんフリュー株式会社・広報 |
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長田麻衣「SHIBUYA109lab.」で所長を務める |
プリ画像をアプリ加工!プリは自然に盛りたい

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中高時代、どのような時にプリを撮っていましたか? |
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中高は海外で過ごしたのですが、長期休みの度に帰国していたので、その時にガッとプリを撮っていました。「おかえり」という感じで記念に撮ったり、コーデプリを撮ったり、遠距離恋愛していた彼氏とカップルプリを撮ったり! |
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プリ帳は作っていましたか? |
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小学生の時は、3つ上の姉に憧れて狂ったようにプリを撮ってプリ帳も作っていましたね。データ保存が出来るようになってからは、今LINEのアルバムに画像をアップするノリでプリをFacebookにアップしていました。 |
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何かプリで工夫していたことはありますか? |
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自然に盛るため、プリを更にアプリで加工してからアップしていました。あっそういえば、いま大学の学生証に「証明プリ」を使っているんですよ! |
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可愛い! |
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別人すぎず、認識できるギリギリのところで盛れるので、学生証を再発行する際に活用しました! |
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「証明プリ」は、プリ機で撮れる証明写真で、レタッチ機能が搭載されていて肌の明るさや質感・目の印象・髪色などを調整できます!さらに400円で撮れることや、通いなれたアミューズメント施設のプリコーナーで撮れるのも魅力的のようで、アルバイトの面接に「証明プリ」を使ってくださっているという声もよく聞きます。 |
(※「証明プリ対応機種」と書かれたPOPが付いている機種のみ撮影可能。価格は設置店舗によって異なる場合あり。提出先の規定によっては使えない場合もありますので注意!)
両親もびっくり…!自主的に中学生で海外へ

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中学の途中から留学をされていますが、そもそも何故海外に行くことになったのですか? |
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幼稚園からずっと同じ私立の学校に通っていて、「もっと他の世界を知りたい」と思ったのがきっかけです。 |
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自主的に行こうと思ったのですか? |
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はい、親はたまげていましたね(笑)。鍵っ子だったので、家で留守番をしている時にいろいろネット検索して調べた上で「ご相談があります」って留学の相談をしました。 |
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行動力がすごい!! |
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スイスの学校生活って全然想像つかないのですが、どのような生活でしたか? |
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共学で寮生活だったんですけど、なんだかドラマの中の人たちみたいなお家柄の人がたくさんいて、ゴシップガールのような世界でした。入学式のイベント会場が湖の上のイケてる豪華客船だったり、保護者会にヘリで来る人がいたり、本当にすごい世界すぎて、毎日驚いてばかりでした。 |
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映画みたいですね…! |
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もともと黒髪三つ編み+セーラー服を着て「ご機嫌よう」と言うような学校に通っていたので、そこからのギャップが激しかったですね。 |
海外にいながら“原宿カルチャー”にハマる日々

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海外に行くと普通、アバクロ(Abercrombie & Fitch)着てビーサン履いてちょっと日焼けして、という感じになると思うんですけど、私は逆に日本のカルチャーが好きになって、どんどん原宿系にハマっていきました。 |
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きっかけは何だったのですか? |
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スイスにいる時、ZipperでAMOちゃんを知って、もう死ぬほど好きで!AMOちゃんは、パンクとガーリーを掛け合わせているところがツボでした。 |
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スイスでも原宿系の服装をしていたのですか? |
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はい、1人で美白+姫カット、分厚い厚底を履いて…と、めちゃめちゃ浮いていましたね。先生に超いじられていて、厚底を「民族衣装」とか言われたことも(笑)。 |
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情報はどこで集めていたのですか? |
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雑誌はZipperです。ただ、ネットで購入しても直接海外に送れなくて、海外の居住地に転送してもらえる「転送コム」というサービスを利用していたので、倍くらいの金額がかかりました。 |
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雑誌を手に入れるのも一苦労だったのですね…! |
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原宿カルチャーへの渇望と熱がすごすぎて、高校の図書室の先生に交渉し続けて、最終的にZipperが学校の図書室の雑誌コーナーに置かれるようになったんです(笑)。 |
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えぇぇ!すごい!! |
美容院は1日3店舗ハシゴ♪ファッションのこだわり

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海外に住んでいる時、ファッションはどうしていましたか? |
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3ヶ月に1度、帰国するタイミングで、例えば髪の毛は、カットする美容院とブリーチカラーする美容院、エクステつける美容院を変えて1日かけてハシゴしていました。熱量が溢れていたので、もう作品作りみたいになっていましたね(笑)。 |
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美容院ハシゴだなんて、こだわりが凄いです! |
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髪が伸びてもいいように逆グラデにしたこともありました。 |
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洋服はどこで買っていましたか? |
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AMOちゃん信者だったので、ガーリー系のブランドは一通り。「Katie」とか「Candy Stripper」「lilLilly」…だいたい高くてたくさん買えないので、最初に好きなお店をハシゴしてちょっとずつ頑張って買って、あとは竹下通りで似たようなものを安く手に入れていました。 |
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プリで全身コーデを撮ることもありましたか? |
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はい、プリはコーデ目的に撮ることが多かったです。全身で綺麗に撮れる機種が出た時はめちゃ喜びました。 |
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2009年にファッションを残す目的でつま先から頭の先までの全身が撮影できる『Lumi』という機種を発売したのですが、フレームに日付やおでかけ先などを落書きで書き込めるスペースが入っていて、その日のコーデや思い出をプリで可愛く残せる「プリ日記」も搭載していました!その後も顔とコーデが両方盛れる“上から全身”を搭載した「RUMOR(2012)」が登場したり、盛ることに特化したアップ機であってもラスト1枚に膝丈まで写るコーデショットが撮影できたりと、ファッションを残したいという需要は常に一定層あると思います。全身を撮影するのって自分ひとりではなかなか難しいですが、プリだと綺麗に撮れるし顔も可愛く盛れるので一石二鳥ですよね(笑)。 |
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コーデプリの目的は、誰かに見せるためではなく思い出に「残すため」で。海外で寂しくなった時のお守りというか、とにかく日本では同じ系統の人とたくさん撮っていたので、海外生活をしながらもプリはすごく身近な存在でした。 |
niconicoで発信も!中高時代のWEB事情

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雑誌だけでなく、WEBでも情報収集していましたか? |
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スイス時代、1人になりたい時は校内にあるピアノが置かれた小部屋に逃げ込んで、当時全盛期だったniconicoや YouTubeを見漁っていました。 |
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発信もすることはありましたか? |
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実は当時、niconico生放送で「スイスの車窓から」というコミュニティを作って生配信をしていました…(笑)。 |
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名前が最高です!何を配信していたのですか? |
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音楽が好きなので、首下のみを映してひたすらギターを弾いたものを配信したり、ただただ勉強してるところ流したりしてました。これ、あまり掘り下げられると辛いです(笑)。海外では、音楽もファッションも共有できる人がいなかったので、ネットにすがりついていましたね。 |

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撮っているプリの機種の系統が、どれもふんわり系で似ているのが興味深いです! |
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好きなプリの機種は、外装デザインもふわふわ可愛い系・パステル系が多かった気がします。あと、撮る時、設定でキュートとビューティーが選択できるのがありましたよね?あれは絶対「キュート」を選んでいました。 |
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最近だと仕上がりをかわいい系・キレイ系などから選べる機種は少ないですが、当時は1機種にテイストの異なる2つのコースが搭載されていて、自分の好みに合わせて選択できるプリ機がありましたね。 |
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同じ系統の友達ができる前は、あまり自分の好みを押し付けられないので、プリを撮る時1枚だけ背景をラベンダーに設定するなど、密かに自己主張をしていました。 |
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辻さんにとってプリってどんな存在でしたか? |
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中高時代を振り返ると、日本にいる友達とか数少ない同じカルチャー好きな友達とかと私を繋ぎ止めてくれるものだった気がします。 |
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国際的なイメージの強い辻さんが、海外にいながらも実は日本のカルチャーに染まっていたというのが本当に面白かったです!学生時代いろいろな経験をされた辻さんから最後に、いまを生きる中高生にメッセージをお願いします! |
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中高時代って親から言われたことだったり、友達からはみ出さないようにしたり色々考える時期だと思うんですけど、周りのことも大事にしつつも自分の「好き」を大事に手放さず過ごしていたら、大人になってから、その「好き」が自分にポジティブなものを届けてくれると思います。偏るくらい熱中して愛せるもの、いわゆる“偏愛”を大事にし続けて欲しいです! |

PROFILE
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久保 友香 Yuka Kubo東京大学大学院博士課程修了(環境学博士)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など歴任。著書に『「盛り」の誕生―女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(太田出版、2019)。 |
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門脇 彩 Aya Kadowaki専門学校を卒業後、2017年新卒としてフリュー株式会社に入社。広報として、プリに関する最新情報や魅力を発信中。 |
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長田 麻衣 Mai Osada総合マーケティング会社を経て、SHIBUYA109のマーケティング担当となる。 |
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辻愛沙子株式会社arca CEO / Creative Director |








