REPORT
レポート
SHIBUYA109 lab.
2019.04.23
#エンタメ・カルチャー
【シンデレラテクノロジー研究者×フリュー×SHIBUYA109 lab.連載企画】プリ帳HISTORY 第12回
「プリ帳」からガールズカルチャー史をひも解く本連載。第12回目のゲストは、この春、高校を卒業したばかりのなおさん。
毎回ゲストを迎えて「プリ帳」から日本のガールズカルチャー史をひも解く連載企画“プリ帳ヒストリー”。
第12回目のゲストは、この春、高校を卒業したばかりのなおさん・18歳。スマホで撮影した写真とプリの違いや、プリ撮影時に流行っていることなど、若者ならではの話を伺いました!

 

【研究メンバーはこの3人】

 

久保友香先生

シンデレラテクノロジーを研究

稲垣涼子さん

フリュー株式会社『ガールズトレンド研究所』で所長を務める

長田麻衣

「SHIBUYA109lab.」で所長を務める

プレゼントに使える!プリはシールも欲しい♪

 

 

プリはどのくらいの頻度で撮っていますか?

月に3〜4回くらいは撮っています。

デジタル画像も保存していますか?

はい、保存はデジタル画像とシールの両方!プリ帳は作っていませんが、バラバラにならないようサイズ分けして透明の袋に入れています。

デジタルデータだけでなくシールを残す理由は何ですか?

私はプリをプレゼントに利用することが多いんです。例えば、フライングタイガーで買った白いジグゾーパズルの内側に、誕生日の友達とのプリを敷き詰めて、プレゼントしたことがあります。パズルを組み立てると、手書きのメッセージが出てくるというサプライズです。

素敵なプレゼントですね!

女子高生の流行はプリ機の中でのサプライズ

 

プリ機の中でサプライズをするのも流行っています!お花やプレゼントをあげたり、もらったり。

どのタイミングで渡すのですか?

最初はいつも通り盛ることに集中して撮って、4枚目くらいの撮影時「3・2・1」とカウントダウンしている途中でパッとプレゼントを出すんです。友達が「えっ!?」と驚いた反応を4枚目に収めて、5枚目にプレゼントと一緒にキメて撮ります(笑)。

結構プリの中でサプライズをしている子は多いですね!

そういうシーンを動画に収めている人も多いですが、なおさんもプリを撮影する時に動画を撮っていますか?

動画は毎回撮っているかもしれません!今はスマホを置く台がありますが、私は台ができる2年くらい前から動画撮影をしています。その時はスマホが不安定だったので、よく落としていました(笑)。

 

スマホを置く台「ムービースポット」がついたのは、2018年冬発売の「トキメキルール」からです。撮った動画はどうしていますか?

Instagramのストーリーにアップしたり、いい感じに撮れた動画はタイムラインに投稿したりしています。サプライズもそうですけど、ジャンプした時とか「こうやってジャンプしたんだ」って、前後を振り返ってみることができるので楽しいです!

あの短い時間でいろいろやっているのが凄いです!タイミングがズレたりしませんか?

よくズレます(笑)。でもそれも思い出ということで!

 

「写ルンです」を愛用!フィルムカメラの雰囲気が好き


左:iPhoneのカメラで撮ったもの/右:iPhoneのアプリでフィルムカメラ風に撮ったもの

 

写真はいつも何で撮っていますか?

基本的にスマホと「写ルンです」を使っています。チェキは重いのでイベントやお泊まりの時など特別な日だけ。私は持っていませんが、友達はフィルムカメラを持っている子が多いです。

「写ルンです」は現像する時、紙にも焼いていますか?

紙には焼きません。現像代+500円くらいでQRコードがもらえるので、そこからスマホにデータ保存しています。「写ルンです」はいい感じになるので好きです!

いい感じって具体的にどういうことですか?

iPhoneで撮った写真はそのまま過ぎるという印象がありますが、「写ルンです」は淡い感じで空気感が出るので好きです。「写ルンです」じゃなくて、フィルムカメラ風に撮影できる「HUJI」というアプリも使っています。動画だとVHS風に撮ることができる「Camcorder」がお気に入り。VHS風なので、下がジジジジ…となり日付も入ってエモいです。
※エモい…英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」を表現した言葉

アプリでフィルム風が撮れる中で「写ルンです」をあえて使うのはなぜですか?

アプリの加工だと、結局同じ雰囲気にしかならないので。フィルムカメラだと、そのときの照明や光の入り方によっても雰囲気が変わるので面白いです。

 

 

チェキはどうやって保存していますか?

名刺入れのようなファイルに入れています。

プリはなぜファイルにまとめないのですか?

フリューさんから以前ケースをもらったんですけど、コスメなどのショップカード入れにしています。プリは撮る頻度が高いのですぐいっぱいになっちゃうと思って、いまのスタイルにしました。

たくさん収納できるタイプの物もあるので、ぜひポケットプリも使って欲しいですね!

“他撮り風の自撮り”が一番盛れる!

 

 

自分の写真を撮る時に気をつけていることはありますか?

他撮りだと自分のイメージと違うことがあるので、最近は友達にスマホを持ってもらい内側のカメラで撮る“他撮り風の自撮り”が一番盛れるんです!

若い子たちから結構そういう声を聞きますね。

私も最近よく聞きます!

シャッターは友達が押すと思うのですが、撮るタイミングは自分で決めなくていいのですか?

10枚〜20枚連写して選ぶのでそこはあまり気にしません。

なんだかプリと原理が似ていますね!

やっぱり、ちゃんと盛れているかを確認できるのは重要なのだと思います。

ある意味“人工プリ機”、“プリクラマン”みたいな感じですね。

本当にそんな感じです!

大人数OK!卒業シーズンは「#アオハル」で撮影

 

高校の卒業式を終えたばかりだと思いますが、卒業式の日はプリを撮りましたか?

卒業式の後にホテルで謝恩会があったんですけど、どうしてもプリを撮りたくて、終わった後にクラスの仲良い子たちと撮りに行きました。空間も広くて大人数で撮りやすい「#アオハル」で撮るって決めていたので機種があるところを狙って。

今年卒業した高校生や大学生は、結構「#アオハル」で撮ってくれていますね。Instagramで「#アオハル」と検索すると、いま50万件近くあります!

無理してギュウギュウに収まっていない感じがいいですね!最大で何人入れるのですか?

社内で検証した際は30人程入れました。少なめのクラスだったら1クラス全員入るかもしれませんね。

そうしたら1人あたりのお金がかなり少なくて済みますね(笑)!

周りの子もみんな卒業の時は大人数で「#アオハル」で撮っていました。「#アオハル」は、ちょうどいい感じに盛れてメイクもちゃんと映るから好きです。

そうなんです。「#アオハル」は楽しさも盛りも両方叶う機種です!

ひいおばあちゃんのお下がりも!好きなものを着る

 

プリを見ているといろいろな系統のファッションを着ていますが、どのようなものが好きですか?

流行りのものを着たいというより、気になったものを系統問わず着ます。古着も結構好きです。

どういうところで買っていますか?

普段は下北沢や渋谷、原宿辺りの古着屋さんに行きます。例えば「西海岸」というお店は、安くて掘り出し物も!あと、ゼブラ柄のモコモコのアウターがあるんですけど、それはひいおばあちゃんのお下がりです。オーバーサイズで今っぽくて可愛い♡

 

 

ひいおばあちゃんの服!? 凄いです!

ファッションの参考にしているのは雑誌ですか?

雑誌は読まないですね。インスタグラマーとか、ブランドの公式アカウントをInstagramでフォローして参考にしています。

そういう自分の好きなテイストのアカウントにはどうやって行き着くのですか?

ひたすら辿っていく感じです。あと私、アイドルの「ZOC」が好きで、香椎かてぃちゃんや兎凪さやかちゃんのファッションを参考にすることもあります。

友達に合わせてファッションを変えることもありますか?

確かにそれはありますね。強めなファッションに抵抗がある子と遊ぶ時は大人っぽい服を着るとか、隣に並んで違和感ないよう心掛けています。

日記に近い!? 自撮りではないプリの位置付け

 

改めて、いろいろな撮影方法がある中でプリはどういう位置付けですか?

食事したときだけでなく、1日かけて遊びに行ったときや、イベント・行事の後にも撮りたいです。例えば、ちょっとオシャレして鎌倉とか行った時とか!鎌倉から新宿に戻ってきて「今日あったことを書こうよ!」とか言って撮ります。日記に近い感じかもしれませんね。

プリの一番いいと思うところは何ですか?

盛れる写真が残るっていうのも大事ですし、それ全部含めて「プリを撮った」という思い出が大きいです。「プリ撮ったよねーあそこでジャンプしてヤバかったよねー」とか。

自撮りはそうならない?

自撮りは日常の盛れた写真という位置付けですね。

最後に、これから高校生活を過ごす後輩に向けて、プリについてアドバイスはありますか?

例えば「トキメキルール」で動画を撮るとライブ感が出るじゃないですか。「トキメキルール」とか「#アオハル」とか特徴的な機種がいまたくさんあるので、プリを盛るためだけに撮るのではなく、少し違う楽しみ方をするといいかなって思います。サプライズでもいいですし!

 

PROFILE

 

稲垣 涼子 Ryoko Inagaki

2005年入社以来、プリントシール機の商品企画に携わる。現在はマネージメントも行う。
趣味は、美味しいもの、漫画、カラオケ、ホットヨガ、ダイビング、脱出ゲーム。なんでも記録するログ癖あり。
今年の目標は、社内の仕組みを整える、社外の方とたくさんお話する、家をキレイに保つこと!

久保 友香 Yuka Kubo

東京大学大学院博士課程修了(環境学博士)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など歴任。著書に『「盛り」の誕生―女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(太田出版、2019)。
好きなものは、ビール、羊羹、芸能ニュース。
今年の目標は、昨年に引き続き、昭和初期を知るおばあちゃんたちとたくさん会うこと。

 

長田 麻衣 Mai Osada

総合マーケティング会社を経て、SHIBUYA109のマーケティング担当となる。
毎月200人のaround20(15歳〜24歳の男女)と接する毎日を過ごしている。
好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。
今年の目標はSHIBUYA109 lab.所長として若者に関する講演に講師として登壇すること。そして「大人っぽさ」と「透明感」を兼ね備えた女性になること。

なお nao

大学1年生。美大でアートやファッションを学んでいる。
色々なジャンルのファッション、ヘアメイクを取り入れて、自分ならではの固定されないオシャレを楽しむことが好き。今年の目標は、海外文化を学び様々な観点から物事を見ることができる女性になること。